半確信犯的な留学生ある人のつてで、半確信犯的にボストンにある未認定校に通う留学生を知ることになった。 ちなみに留学斡旋業者に未認定校に送り込まれていたケースで紹介している のも実はボストンの学校だ。 ボストンに行くとわかるけど、そこらじゅう学校の広告だらけ。T(地下鉄) に乗っても小田急線とかの沿線大学広告の企画車両みたいに学校の広告が スペースを埋め尽くしている。まさに教育が町の主産業といったかんじ。 ここで勘違いしてはいけないのは、学校名が「○○ College」や「○○ University」となっていても、公には大学として認められていない学校 (未認定校)があるということだ。(アメリカの大学認定システムについては 「未認定校 学位工場 学位商法」を読んで下さい。) さて、はからずともボストンで未認定校に通っている留学生の話を続けると、 彼女は日本の大学を2年で中退し、その後そのことにかなりのコンプレックスを もっていたそうだ。 なんとか大卒の資格をとりたいと、留学も視野に入れて色々調べているうちに ボストンに TOEFL 免除で受け入れてくれる「○○ College」という学校を 見つけた。問い合わせると、日本の大学からの単位の移動も可能で、 彼女の場合あと1年、単位を取り足せば卒業できるとのこと。 日本の大学の単位は2年分しかないわけで、スムーズにいってもあと2年は かかるところ、1年だけで卒業という話。実は薄々は「おかしいな」とも 思ったそうだ。でも「もしかしたら」という気持ちと、中退して以来なんとなく 宙ぶらりんな自分にケリをつけたいというのもあって留学を決意したそうだ。 語学過程から始めたので、結局2年かかったものの無事「College」から卒業。 そのまま併設されているマスターコースへ「進学」したそうだ。 この時点で彼女自身、自分の取得した学位(?)が「なんだかおかしい」とは 気づいてはいたものの、「マスターまでとればなんとかなるかも」という 期待の元、なし崩し的に進学を決意したそうだ。 実際、大学中退でまわりから(本人の被害妄想なのかもしれないけれど) なんとなく冷たい目で見られ、ここでさらに鳴り物入りで留学したあげく 「正規でないかもしれない」学位をもって日本に帰ることにはかなり抵抗が あったそうだ。 だからといって、さらに「正規でない」マスターコースに進むというのも よくわからないが、この辺はアメゆきさんの中でも書いたように、追いつめ られた人が冷静な判断ができなくなるという状態にも通じるのかもしれない。 「結局、大学を(今から考えれば安易に)中退してしまったコンプレックスを ずっとひきずってしまってるんだと思うんですよね」と彼女は言う。 でも、やはり本当のことを周りに言う勇気はなく、日本に帰ればその「マスター」 を武器に就職活動をしてしまうだろう(*)とも言っていた。 なにはともあれ、結果として彼女は「大学中退」に加えてなんとなく胸を張って 大卒、マスター卒ですと言えない重荷を一生背負っていくことになりそうだ。 *日本での未認定校問題の認知度は低いので、すんなり「マスター卒」として 就職できてしまうケースは非常に多いと思う。 ←未認定校、非認定校、Degree Mill 学位工場、学位汚染関連リンク集 ブログHOMEに戻る ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|